これまでにもお伝えしているのですが、
今日も少し広汎性発達障害について触れたいと思います。
この障害の厄介なところは、非常にわかりにくいと言うことです。
私たちは多くのお子さんに接しているため、様々な行動から
障害の可能性を感じることが多々あります。そして、もしそうだったとしたら・・・と
その時点で抱える課題に取り組んでいきます。
しかしこれまでは、多少変わった子だけど年齢と共に改善されると済まされたり、
育て方の問題と保護者を非難したりと間違った行動をとることがよくありました。
そのことで本人はもとより保護者の方も傷ついて、
その子にとって必要な対応が遅れたり取れないことがあります。
例えばこんな事例でお話しするとわかるでしょうか。
お子さんに「風呂をみてきて。」と言ったとします。
すると子どもは、風呂場へ行って帰ってきて「見てきたよ。」と言います。
「で、どうだった?」「うん、見てきたよ。」
「だから、熱かったの温かったの?」「???」
このお子さんは、みてきてとしか言われてないのです。だから子どもは、
言われたとおり見てきたのです。熱いかどうか知らせてとの支持はもらってないのです。
この場合子どもは困惑します。言われたとおりのことをしたのに、叱られるのです。
子どもにとっては理不尽です。
しかし一般的には、風呂をみてと言えば温度の加減を調べるということは、
経験で学習して常識なのです。でもこれが出来ないのが、この障害の特徴なのです。
もうひとつ。ちょっと待ってというのも、とても辛いのです。「ちょっと」というのは、抽象的です。
10秒なのか、10分なのか、30分なのかわからないのです。
普通は、たぶんこのくらいだろうと見当をつけて待って、
多少ずれても気持ちの折り合いはつけられます。
しかしこの障害を持った人には、大きな不安を与えるだけなのです。
だからじきに落ち着きのない行動をとったり、パニックになったりします。
周りの状況から判断するとか、相手の気持ちを考えて何かするというのは大の苦手なのです。
出来ないのです。出来ないことを要求されて、来る日も来る日も叱られたら、
あなただったらどうなります?欝になったり出社拒否症になりませんか。
支持は、具体的でないと伝わりにくいのです。そのことを理解して回りが対応してくれると
随分行動が変わってきます。
本人の努力不足でも保護者の怠慢でもないのです。保護者の方も必死です。
何とかしようとぼろぼろになるまでがんばっておられるケースがほとんどです。
現在、このような障害を持った子どもの割合は20人に1人とも言われています。
当保育所でも、その割合を越えるお子さんに、疑われる行動があります。
保護者と保育所だけの努力では、対応に限界があります。
どうか、この障害を抱えた子どもや保護者の方へもご理解ご支援をお願いしたいと思います。