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ある保育士さんの一日

農吉が運営している、庄原市内の2つの保育所。そのうちの「庄原市立 敷信みのり保育所」で、日々子どもたちの成長を見守っている保育士、太谷由希乃さんの一日を、先日、密着取材しました。
写真

太谷(おおたに)由希乃(ゆきの)さん
2022年度で、保育士11年目。
敷信みのり保育所は、4年目になります。
今年は、「ひよこ組(ゼロ歳児)」を担当している太谷さん。
4年前に感じていた戸惑いも、経験を経て、少しずつ自信に変わってきているようです。
「自立と自律」を目標に、日々子どもたちに接している、農吉の保育士さんたち。さて、この日はどんな一日だったのでしょうか?

おはようございます!
敷信みのり保育所は、出勤したらすぐに担当クラスに向かいます。

今日は、担当している子どもたちは3人とも、太谷さんの出勤より早く登所していました。
早朝担当の保育士から、子どもたちを引き継ぎます。

農吉の保育所では、乳児クラスに「担当制保育」を導入しています。

(※)担当制保育… 子どもたち一人ひとりの生活リズムに合わせて、一日の日課を立て、いつも同じ保育士が担当になり、同じ手順と方法で育児(食事・排泄・睡眠・着脱)をします。保育士は、担当の子どもの発達段階や、その日の子どもの状況を把握し、一人ひとりの子どもに合わせて接しています。これは、子どもたちの側からすると、「保育所で自分の育児をしてくれる人(=保育所でのお母さん)」が決まっているということです。この仕組みは、子どもたち一人ひとりが、「ひとりの大人」と、愛着関係を結ぶことに繋がっています。

朝、最初に、担当している子どもたちの鞄の中身を出します。
(おむつは、紙おむつの子もいれば、布おむつの子も。保護者さんの意向に対応しています。)

    
         
保護者さんからの伝達事項に、目を通します。
         
太谷さんが担当している子どもたちは、3人。
Oちゃん、Tちゃん、Yちゃんです。
    
    

Oちゃん、おしっこ行ってきていい? (イヤイヤ)
じゃ、先にTちゃん、一緒に行く? (OK)
トイレを促すときも、子どもたちの意向を尊重します。

ゼロ歳は、トイレの場所に慣れ、トイレに行く習慣をつける年齢です。
太谷さんは、担当する子どもたち一人ひとりの排尿間隔を把握していて、その時間の感覚を意識して、声をかけます。

子どもたちが、自分自身の感覚に注意を向け、自分の意思を大事にして、自律してトイレにいけるよう心がけているのです。


自分のおむつを自分で持って、トイレに向かうOちゃんです。
太谷さんが、トイレの対応などで不在のときは、
太谷さんが担当している他の子どもたちは、
「副担当」や他のスタッフが見ています。
これは、担当制保育の、役割分担の一端です。

原則的には、担当保育士だけが、担当の子どもたちの育児をするのですが、
担当保育士がいないときや、何かから手が離せないときは、
副担当の保育士が、ヘルプに入って育児をおこないます。
子どもたちは、いまは「保育所でのお母さん(=担当保育士)」が、他の子どもの育児をしていて不在であること、

その仕事が終われば、また戻ってくること、

その間は、「他の大人」が、自分たちを見守ってくれることを、ちゃんと理解しているので、いつも落ち着いています。

天気の良い日は、
靴下と靴を履いて、園庭に遊びに行きます。
写真から、子どもたちが、あまり(大げさに)笑ったり、泣いたり、怒ったり、していないことが伝わるでしょうか…。

農吉の保育所では、「流れる日課」をひとつのキーワードにして、保育をおこなっています。

子どもたちのペースを優先して、そのペースを妨げないように大人が行動しており、
大人が、子どもたちを何かの方向に「誘導」するということをしません。

子どもたちを「静かにさせ」たり、逆に「盛り上げ」たり、することはありません。

そのため、保育所は、おおむね一日中、「静かに」時が流れます。

大げさな喜怒哀楽はありませんが、子どもたちは、自分たちの感情の動きを、大人たちがしっかり受け止めてくれていることを感じています。

この日のひよこ組も、特に午前中は、ほとんど「音」がありませんでした。
ゆっくり・ゆったりと、みんなが同じ時を過ごしています。

ジャンパー着ようかね~。
このT2くんは、太谷さんの担当の子どもではないのですが、担当保育士さんが今は不在なので、太谷さんが「副担当」として育児をしています。
このように、担当制保育を導入しながらも、必要に応じて柔軟に対応します。

さて、お外に出るんだけど…
出入り口の、あそこにいる、カエルが気になるんだよね…

    
         
あんなに高いところにいるのに、みんな、よく見つけたねー
あの場所に、カエルたちがいつも何匹かいるのだそうです
         
棒を取り出した太谷さん…
「分かった分かった…捕ってあげるよー」
    
    
         
この棒の、先っぽにカエルが…(笑)
         
Tちゃん、怖いんだけど、興味があるんだよね…。
距離を保ちながら、カエルをじっとみつめるTちゃん…。
    
Oちゃん、靴履くよー
子どもたちが、プランターのトマトに気づいて指差しをしていたので、「トマトがあるね」と言葉で伝えました。
今日は、他クラス(さくら組)の子どもたちも、園庭に出て遊んでいます。
ひよこ組は、一番ちいさいクラス。
年中・年長の子どもたちから見ると、一番ちいさくてかわいくて、興味津々なのですね。
農吉の保育所では、できるだけ、異年齢の子どもたちが触れ合う機会を多くつくるようにしています。
(※)異年齢クラス制=3~5歳の幼児クラスには、年齢別のクラス(ちいな(3歳児)/さなえ(4歳児)/いなほ(5歳児))もあるのですが、子どもたちが日常を過ごしているのは、縦割りの「異年齢クラス(さくら/すずらん/たんぽぽ)」です。)こんなふうに、異年齢の子どもたちが一緒にいる風景が、農吉の保育所ではよく見られます。
Tちゃんの目には、お兄ちゃん・お姉ちゃんの姿が、大きく映っているんでしょうね!
ひよこ組の子どもたちは、この砂山より先(写真手前)には「行かない」ということになっているのですが、
好奇心旺盛で、幼児組に兄弟のお兄ちゃんがいるTちゃんは、ついつい、砂山を乗り越えたくなってしまうようです。
子どもたち一人ひとりの、自由な意思と行動を尊重しながらも、いつも見守っています。

外遊びの途中、担当の子どもたちを他のスタッフに任せて、太谷さんは休憩に入ります。
休憩室では、フリー(特定の受け持ちクラスがない)の保育士・Aさんと一緒になりました。

他愛ないおしゃべりもしますが、
子どもたちの体調や、休んでいる子たちについての情報交換、クラス運営で改善できる点はないか…など、
休憩室は、大切なミーティングの場にもなるようです。


さて、休憩を終えて、園庭に戻った太谷さん。
ひよこ組の外遊びは、子どもたちの体力を考えて、1時間程度としているので、おもちゃを片付けて、そろそろクラスに戻ります。

声をかけられて、喜んで部屋に帰ってきたけど、部屋に戻ったあと、
もっと外にいたかったTちゃんが、大泣き中…。
    
         
保育スタッフのYさんが、Tちゃんと一緒に過ごしてくれています。
         
今日は、Yちゃんがずっと抱っこをねだってきます。
    

    
         
クラスに、食器と給食が運ばれてきました。
準備をして、検食します。
         
検食では、給食の味、食材の大きさ・固さなどを確認します。
    
給食は、園内の調理室で、毎日手作り。
子どもたちが、手作りのあたたかいごはんを食べることは、とっても大切ですよね!

また、農吉の2つの保育所では、年齢や成長の進度に合わせて、給食の食材の大きさ・固さも調整しています。

3人のうち、順番が最初なのは、Tちゃん。
一人ひとり、太谷さんと1対1で、食事をとります。
手づかみで食べられるスティックは、自分で食べます。

食事が終わり次第、お昼寝です。
自分が寝る場所も、毎回決まっているので、子どもたちが迷うことも、戸惑うこともありません。

    
         
「毎日、同じ場所」「毎日、同じ順番」。
この「毎日、同じ」手順であるということが、安心感を育み、子どもたちの情緒の安定につながっていくそうです。
         
Tちゃんを寝かしている間、Oちゃんが近くにきましたが、
後から自分の順番が来ることが分かっているので、駄々をこねたりすることはありません。
    
    
         
2番目は、Yちゃん。
         
食事が終わったら、Yちゃんもおやすみ…
    
3番目のOちゃん。
静かに落ち着いて、待っていてくれました。

最後のOちゃんが寝たので、給食の後片付けをします。

一緒にひよこ組を担当している保育士のMさんと、保護者からの連絡事項を共有しながら、午前中の保育を振り返ります。
子どもたちのことで、気になったことも、確認しあいます。
(熱、咳、他の子どもとのやり取り、成長について など)
Aちゃんは、ちょっと咳してるね。幼児組のお姉ちゃんは、休んでなかったっけ?
Bちゃんは、最近、オウム返しがすごい。こんな言葉も知ってたよ。
Cちゃんは、「ありがとう」を絶対に言うよね。素敵!
Dちゃんは、最近おしっこの感覚が短い…寒いからかね? 体調? 
そういえば、Eちゃんも。外遊びのときに、お茶を飲むからかな?
Fくんは、今日は泣いてないね。昨日は、こけて泣いていた。靴が、少し大き過ぎるよね? 何度もこけるようなら、声をかけてみよう。
連絡帳。一人ひとりに、向き合うコメントを書いていきます。

補助スタッフの二人も一緒に、給食をいただきます。
ここでも、子どもたちに関する情報交換。午前中にあったことの共有をします。
時々、子どもたちが起きそうになりますが、問題がなければ、再眠できる環境をつくります。
最後に寝た子も2時間寝られるだけの、お昼寝の時間をしっかりとっています。

今日は、いつもと様子が違うので、検温します。

毎日この時間に、乳児クラス(ひよこ組・つくし組・よもぎ組)の代表と、主任保育士が、子どもたちの様子(体調など)や、明日の活動内容などについて、話し合っています。
午前中の子どもたちについて、情報共有。

ひよこ組から…子どもたちのうち2人ほど、咳をしています。
Yちゃんが、いつもと様子が違っています。

明日の朝の人員配置、夕方の外遊びは、どうしますか?
昨日、庄原保育所で公開保育がありました。内容は…

…などなど。短い時間でしたが、充実したミーティングになっていました。

Oちゃんの「保育所でのお母さん」は太谷さんだけなので、担当の子どもたちに何かがあったら、最優先!
Oちゃんは、午後のミーティングで太谷さんが不在のあいだ、ずっと泣いていたそう…
太谷さんが帰ってきたら、すぐに泣き止みました。
1対1の関係が、しっかりできています。

    
         
Yちゃん、再度検温…少し熱があるようです。
事務所に移動して、副所長に報告して、
         
Yちゃんの保護者さんに、お電話します。
    
保育所での様子をお伝えし、お迎えをお願いしました。

お母さんに、昨日から今朝にかけての様子を、教えていただきました。

今日のおやつは、手作り「アップルパン」です。
(給食もおやつも、たまご・乳は除去されています。)
Oちゃん、Tちゃん、おやつですよー。
お天気が良くて、気持ちが良いので、みんなでテラスへ出て過ごします。
お隣の部屋の、つくし組のお友だちも一緒に。

太谷さんは食育に関心があって、この干し柿も、「秋の風景として、子どもたちの記憶に残ったらいいな」…と考えて、テラスに吊り下げているそうです。
担当していない子が近寄って来ても、必要があるとき以外、むやみに抱っこはしません。

これは、特定の大人(=担当保育士(保育所でのお母さん))とのあいだで、1対1のしっかりした「安心感」を育むためで、理由があることなのです。

Tちゃんも熱があるので、保護者さんに電話します。
保育所での様子を伝えて、お迎えをお願いしました。

太谷さんが、Tちゃんの保護者さんへの電話で不在のあいだ、Oちゃんがまた、ずっと泣いていたようです。

Oちゃんは、夕方になったら、寂しくなるのかも知れませんね…。

帰ってきたよー
TちゃんとOちゃん、ちょっとだけ太谷さんの取り合いになったようですが…
大丈夫よ、ふたりのこと、どっちも気にしてるよ!

家での様子、保育所での様子…お互いに、気になることを伝えます。 担当している子どもたちが決まっているので、保護者さんとの関係も作りやすいです。 保護者さんの立場からも、担当保育士さんが、子どもをしっかり見てくれているのは安心できることと思います。
    
         
子どもたちの成長段階を、保護者さんとの会話の中で確認します。
         
太谷さんの姿が見えなくなっても、手を振り続けているOちゃん。
今日も、楽しい一日だったのでしょうね!
    

だんだん子どもたちの数が減っていくので、つくし組の部屋で、みんなで一緒に過ごします。
今日は、太谷さん担当の子どもたちはみんな降園したので、あとは見守りです。

保護者さんに、保育所での子どもたちの姿と、保育所の様々な活動を知ってほしいですね!

    
         
本日の業務は、17:30で終了です。
         
お疲れさまでした~!
    
太谷由希乃さん
太谷由希乃さん

庄原市立敷信みのり保育所の保育士。 2019年から敷信みのり保育所で勤務中。

みのり保育所では「見守る保育」を行っています。

入社した頃、みのり保育所で、「何もしない保育士」が良いと話を聞きました。
「何もしない保育士」? 
何を意味しているのか、考えてもよくわかりませんでした。

1年目はゼロ歳児クラスの担当になり、私もゼロ歳からスタートしました。
保育を積み重ね、何となく分かってきたのは2年が経つ頃で、言葉にするのはいまだに難しく、時間もかかりそうです。
今は、「見守る保育」の意味や意図が少しずつ分かるようになってきたので、保育士の仕事が楽しくなってきています。

みのり保育所に来て、今年で4年目。
ゼロ歳、1歳、2歳と担当して、またゼロ歳に戻ってきました。

今年はどんな1年にしようかな。
どんなことができるのか、春にクラスで話し合いました。

言葉が増えたり、理解ができるようになったり、物事の一致が身近に行えるようになったらいいな…と考えて、トマトを植えて育てて食べたり、きゅうりを育てて給食室まで一緒に持って行ったりもしました。
そんな時に飛び交う言葉は、子ども達もよく聞いていたように感じます。

今のクラスの子どもたちは、遊ぶことももちろん大好きなのですが、食べることも大好きなので、
渋柿を吊るして、干し柿になる様子を毎日テラスで見ながら、食べ頃になったらおやつで食べたりもしました。

子どもたちは、食べられるのが分かったら、指差しをして食べたいことを教えてくれます。
ゼロ歳だからできないと決めつけるのではなく、ゼロ歳にできる楽しさや感じ方を、一緒に楽しめるような保育をしたいと思っています。


取材のあった10月20日は、戸外遊びを始めたばかりの頃でした。

記事や写真では、戸外遊びをするために、保育士が子どもたちに声をかけて集めて、靴下を履かせているように見えるかも知れませんが、
実際にはそうではなく、子どもたちが自発的に、いつも同じ大人の動きを見て、自然に動いてくれていました。
お友達がやっているのを見て、「あ、外に出る前には靴下を履くんだな」と、分かっているんです。

「いつも同じ」というのが、子どもにとっては安心の材料になります。
人や場所、声のかけ方、手順…。
それを見て、次に起こることを予測したり、自分がどうすればいいか、考えているんですね。

そんな保育を積み重ねていけば、子どもたちとの間に信頼関係ができて、いつか「何もしない保育士」になれるのかも知れない…と思いながら、子どもたちと毎日を過ごしています。
子どもたちの気持ちや、「やりたい!」という意思を尊重しながらも、子どもたちに振り回されるのではなく、いつも無理のない「自分らしさ」を中心に持っている太谷さん。太谷さん自身が、子どもたちと過ごす時間を楽しんでいる様子が伝わって来る、気持ちの良い秋の一日でした。 保育士応募・お問い合わせ

これから保育士を目指すあなたへ

最近、子どもたちに関する暗いニュースが多く見聞きされます。
その度ごとに、なんでだろうと考える日が増えています。
保育所に何ができるのだろう、何かできるだろうと思いを巡らしています。

私たちは、保育所が子どもたちにとって心地よく、自分を思いっきり出せる場所になるにはどうしたらいいのだろうと考えてきました。
そして数年前からは、乳児の担当制保育や幼児のたて割り保育に取り組み、変わっていく子どもたちの様子を楽しんでいます。
また、農業や自然体験などを通して、子どもたちのワクワクを作っています。

これから保育士になろうと考えている皆さん、あるいはもっと楽しい保育をしたいと考えている皆さん、私たちと一緒に面白い保育をつくりませんか。

ひげじいさん こと 中岡 和己

保育士応募・お問い合わせ

   【参考】農吉の保育士さんたち インタビュー動画(YouTube・外部リンク)



     ■農吉の保育所のこだわり②「流れる日課」
     https://www.youtube.com/watch?v=BkX2BuWEOxo

     ■農吉の保育所のこだわり①給食の野菜の切り方
     https://youtu.be/8vP44GL5sxA

     ■農吉の保育所って、どんな保育所? ~保育士さんたちに聞いてみよう!
     その④ 福留さん(敷信みのり保育所・保育士21年目)
     https://youtu.be/wV22xU6RBzg

     ■農吉の保育所って、どんな保育所? ~保育士さんたちに聞いてみよう!
     その③ 定光さん(敷信みのり保育所・2年目)
     https://youtu.be/i1hnByhJMF4

     ■農吉の保育所って、どんな保育所? ~保育士さんたちに聞いてみよう!
     その② 太谷さん(敷信みのり保育所・3年目)
     https://youtu.be/AwrrVQ7E3kU
 
     ■農吉の保育所って、どんな保育所? ~保育士さんたちに聞いてみよう!
     その① 宮地さん(敷信みのり保育所・1年目)
     https://youtu.be/Ddtmb9iSqkI?list=PL11ljY1t9PHbebrFWa_a9yR-6IpzC452f

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